オンセミが革新的な冷却パッケージング技術「T2PAK」を導入
オンセミは、消費電力の大きいアプリケーションの効率を大幅に向上させる、業界標準T2PAKトップクールパッケージを採用したEliteSiC MOSFETのリリースを発表しました。

T2PAKトップクールパッケージとは?
高電力アプリケーションの熱課題を解決
電気自動車(EV)、太陽光インフラ、エネルギー貯蔵システムといった市場では、高電力・高電圧アプリケーションが増加しています。これに伴い、効果的な熱管理はエンジニアリングにおける重要な課題となっています。従来のパッケージでは、熱効率とスイッチング性能のどちらかを選択せざるを得ないというジレンマがありました。
妥協なき性能を実現するT2PAK
T2PAKトップクールパッケージは、この課題に対するオンセミの革新的なソリューションです。プリント基板(PCB)上の熱をシステムの冷却インフラへ効率的に直接伝達することで、性能の妥協なく優れた熱管理を実現します。これにより、高電力密度とコンパクトなシステム設計が可能になります。
T2PAKがもたらす主なメリット
この新しいパッケージ技術は、以下のような点で大きなメリットを提供します。
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優れた熱効率: 動作温度を低減し、安定した性能を維持します。
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システム寿命の延長: コンポーネントへのストレスが軽減されるため、システムの信頼性と耐久性が向上します。
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高電力密度と小型化: コンパクトなシステム設計を可能にし、限られたスペースでの実装に貢献します。
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設計の簡素化: 熱管理の複雑さを軽減し、市場投入までの時間を短縮します。
EliteSiC MOSFETへのT2PAKの展開
オンセミは、業界最先端のシリコンカーバイド(SiC)技術と革新的なT2PAKパッケージング形式を融合させ、650Vおよび950VのEliteSiC MOSFETポートフォリオにこの技術を導入しています。初期製品はすでに主要顧客への出荷が開始されており、2025年第4四半期以降には追加製品の出荷も予定されています。EliteSiCファミリー全体へのT2PAK導入は、高電圧アプリケーションにおいて、効率、小型サイズ、耐久性を求める顧客に新たな強力な選択肢を提供することでしょう。
技術的なハイライト
最適な放熱とスイッチング性能のバランス
T2PAKのトップクールパッケージは、MOSFETとアプリケーションのヒートシンクとの間で直接的な熱結合を可能にすることで、放熱とスイッチング性能の最適なバランスを提供します。この設計は、接合部からヒートシンク間の熱抵抗を最小限に抑え、幅広いRds(on)オプション(12mΩから60mΩ)をサポートし、設計の柔軟性を高めています。
T2PAKの主要な技術的特徴
| 特徴 | 詳細 | メリット |
|---|---|---|
| 優れた熱性能 | PCBの熱的な制約を回避し、熱を直接システムのヒートシンクに集中 | 効率的な放熱、安定した動作 |
| 低浮遊インダクタンス | 高速なスイッチング速度とエネルギー損失の低減を可能 | システム効率の向上、電力損失の削減 |
| パッケージングの利点 | TO-247とD2PAKの利点を大きな欠点なく両立 | 設計の柔軟性、既存システムへの適合性 |
T2PAKトップクールパッケージにおけるEliteSiCの優れた性能指数(Figure of Merit)は、設計者がよりコンパクトで冷却能力が高く、高効率なシステムを実現するための鍵となります。
関連情報
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オンセミについて
オンセミ(Nasdaq: ON)は、自動車および産業用エンドマーケットに注力し、自動車の電動化と安全性、持続可能なエネルギーグリッド、産業オートメーション、5Gおよびクラウドインフラなどのメガトレンドにおける変化を加速させています。高度に差別化された革新的な製品ポートフォリオにより、世界の最も複雑な課題を解決するインテリジェントなパワーおよびセンシングのテクノロジーを創出し、より安全でクリーンでスマートな世界を実現する方法をリードしています。オンセミの詳細については、https://www.onsemi.jpをご覧ください。
