中野区で避難所開設支援アプリ「N-HOPS」の実証実験を実施:住民参加型訓練で効率化と主体性向上を目指す

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「N-HOPS」アプリとは?

「N-HOPS」は、災害時における避難所開設・運営を支援するために開発されたWebアプリケーションです。避難所の開錠から施設点検、受付設営、利用スペースの整備といった一連の開設手順を、アプリがガイドとして表示してくれます。これにより、経験が少ない住民でも迷うことなく、スムーズに作業を進められるようになることを目的としています。

中野区での実証実験の具体的な内容

今回の実証実験には、鷺宮4丁目町会の住民をはじめ、地域住民や地元企業の方々が参加しました。参加者は8グループ(各6名程度)に分かれ、「N-HOPS」アプリのガイドに従って、避難所の開設手順を図上で体験しました。

テーブルを囲んで議論する参加者

操作説明は最小限に抑えられましたが、参加者はすぐにアプリの操作に慣れ、グループごとに主体的に作業を進める様子が見られました。9月に行われた前回のトライアルは3グループでの実施でしたが、今回は8グループへと規模を拡大しても、同様に住民が自力で作業を進められることが確認されました。これは、アプリの直感的な操作性とガイド機能の有効性を示すものと言えるでしょう。

スマートフォンで避難所情報を確認する参加者

参加者からのリアルな声

訓練後の意見交換では、参加者から貴重な声が多数寄せられました。アプリの利便性を評価する声がある一方で、災害時の利用における懸念点も挙げられました。

評価点 改善に向けた意見
「何をどうしたらよいのか、視覚的にもわかりやすいのでとても良かった」 「通信前提のアプリだと、災害時に本当に使えるのか不安」
「このアプリがあれば避難所での共助がより進むと感じた」 「アプリ自体は使いやすいが、災害時に利用できるのか心配」
「行動の順序など、一部に避難所の実態と異なる部分があった」

スマートフォンで学習する人々

「N-HOPS」が抱える課題と解決策

実証実験で寄せられた意見を踏まえ、「N-HOPS」はさらなる機能強化を進めています。特に「災害時に実際に使えるのか」という通信環境に関する懸念や、避難所ごとの実態との乖離に関する意見に対して、具体的な対策が講じられています。

オフライン機能の搭載

「N-HOPS」はWebアプリケーションのため、訓練時にはインストール不要で利用できます。しかし、災害発生時など通信が途絶する状況でも利用できるよう、オフライン機能が搭載されています。平時にアプリへアクセスして端末にデータをダウンロードしておくことで、オフライン状態でも行動支援ガイドを閲覧可能です。また、バックアップとして紙での出力にも対応しており、通信環境に左右されずに活用できる工夫が凝らされています。

避難所ごとのカスタマイズが可能

「この行動は実際の避難所とは違うのでは?」といった意見は、実際の施設図面を見ながら訓練したからこそ得られた、非常に有意義な気づきです。従来のマニュアル読み合わせや部分的な訓練では得にくい貴重な意見と言えるでしょう。

「N-HOPS」では、こうした気づきや施設の利用状況の変化に応じて、防災担当職員が避難所ごとに行動支援ガイドを編集・カスタマイズできる機能が提供されます。これにより、マニュアルの周知や差し替えの手間を削減し、人員交代による引継ぎやノウハウの確実な継承を可能にします。常に最新かつ最適な行動支援ガイドを住民へ提供できるのは、すごいことですよね。

今後の展望

「N-HOPS」は2026年度より本格リリースを予定しています。現在、複数の自治体から予算申請に向けた実証実験に関する問い合わせが寄せられており、防災DXへの関心の高さがうかがえます。ご関心のある自治体は、能美防災株式会社までお問い合わせください。

詳細はこちらをご覧ください。

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